父親が亡くなり、実家の土地や建物を相続することになった場合、「相続登記には何を用意すればいいのだろう」と思う方も多いのではないでしょうか。
相続登記では、戸籍だけでなく、住民票や遺産分割協議書など、いくつかの書類が必要になります。
ただし、必要な書類は、遺言書がある場合、相続人全員で遺産分割協議をする場合、法定相続分どおりに登記する場合などによって変わります。
今回は分かりやすく、父親が亡くなり、母親と子ども2人が相続人となり、話合いの結果、子どものうち1人が実家を相続するケースを例に説明します。
1.亡くなった父親の戸籍
まず必要になるのが、亡くなった父親の戸籍です。
基本的には、出生から死亡までの経過が分かる戸籍謄本、除籍謄本などを集めます。
なぜ出生までさかのぼるのかというと、相続人が誰なのかを確認する必要があるためです。
たとえば、現在の戸籍だけを見ても、以前の婚姻による子どもがいるかどうかなどを確認できない場合があります。
そのため、戸籍を順番にさかのぼり、相続人を確認していきます。
なお、法定相続情報一覧図を利用する方法もあり、一定の場合には戸籍一式に代えて利用することができます。
2.相続人全員の戸籍
遺産分割協議をする場合には、相続人全員の戸籍も必要になります。
今回の例であれば、母親と子ども2人の戸籍です。
これは、遺産分割協議をした人たちが相続人であることを確認するためのものです。
「誰が相続人なのか」は相続登記の基本となるため、戸籍の確認は重要な作業になります。
3.亡くなった父親の住民票の除票など
次に、父親の住民票の除票や戸籍の附票などが必要になります。これは相続手続きに使用する場合は、原則的に本籍地の記載のあるものが必要になります。
これは、登記簿に記載されている所有者と、亡くなった父親が同一人物であることを確認するためです。
たとえば、登記簿には以前住んでいた住所が記載されているものの、その後引っ越しをして住所変更登記をしないまま亡くなっていることがあります。
このような場合には、住所の移り変わりを確認するため、追加の書類が必要になることもあります。
4.実家を相続する人の住民票
実際に実家の土地・建物を取得する人については、住民票が必要になります。これは原則的にはマイナンバーの記載のないものを取得します。
今回の例で、長男が実家を相続することになったのであれば、長男の住民票を用意します。
相続人全員の住民票が必ず必要になるというわけではなく、遺産分割によって不動産を取得する人の住所を証明するために使用します。
5.遺産分割協議書と印鑑証明書
相続人全員の話合いによって実家を取得する人を決めた場合には、遺産分割協議書を作成します。
たとえば、
「父親名義の実家の土地と建物は長男が取得する」
という内容を相続人全員で合意したのであれば、その内容を書面にします。
相続登記に使用する遺産分割協議書には、通常、相続人全員が実印を押し、それぞれの印鑑証明書を添付します。
不動産は土地と建物を正確に特定する必要があります、そのため遺産分割協議書を作成するときには、固定資産税の課税明細書に記載されている地番や家屋番号は登記上の表記と異なる場合があるため、必ず法務局の登記事項証明書などを確認して記載することが大切です。
6.固定資産税評価額が分かる書類
相続登記をするときには、原則として登録免許税がかかります。
その金額を計算するために、固定資産税評価額が分かる資料も確認します。
一般的には、その年度の固定資産税の課税明細書や、市区町村が発行する固定資産評価証明書などを利用します。
なお、相続による所有権移転登記の登録免許税は、原則として固定資産税評価額の0.4%ですが、一定の場合には免税措置が適用されることもあります。
必要書類は相続の内容によって変わります
ここまで説明したのは、父親が亡くなり、相続人全員で遺産分割協議をして、そのうち1人が実家を取得する一般的なケースです。
実際には、
- 遺言書がある
- 相続人の中に亡くなっている人がいる
- 兄弟姉妹が相続人になる
- 登記簿上の住所と死亡時の住所がつながらない
- 相続が何代も前から放置されている
といった事情があると、必要な戸籍や書類が増えることがあります。
そのため、「相続登記ならこの書類をそろえれば必ず大丈夫」というものではありません。
当事務所では、札幌市厚別区を中心に、札幌市内、江別市、北広島市などの相続登記についてご相談をお受けしています。
「何の書類を集めればよいのか分からない」という段階でも、相続関係を確認しながら必要な書類を整理することができます。
相続登記の必要書類だけでなく、手続きの流れや費用についても知りたい方は、当事務所の相続登記のご案内をご覧ください。